【虹のたもとへ】麦わら7号、お膝大好きな女の子
お空、虹のたもと在住
譲渡会に参加させてもらえると喜んでいたのですが、その日を迎えることなくお空へ旅立ってしまいました。
書きかけだったアピール記事をお蔵入りさせるのもしのびなく、どれだけかわいい子やったんか、万民が思い知ればいいと思います。
譲渡会でもブンちゃん!
常日頃から呼ばれていますが、譲渡会でもそのままブンちゃんの予定でした。
麦わらだけにルフィとかかしらと安直すぎる質問をしたら、ありそでないお名前グッジョブなのでそのままでと褒めて(拡大解釈)いただきました!
わたしの名前はイッパイアッテネ……
保護ネームは7号、ブンちゃん、そしてヒザガスキー。
うちの保護っ子たちはみんなナンバリング。
私たちが管理しやすいのと、うっかり情を移しすぎてしまわないための(だいじ)措置ですが、
覚えてもらいやすくするためにストーリー性のあるお名前にしたほうがいいでとアドバイスを受けまして。
だから考えました。
インパクトがあり、印象深く、ストーリー性のあるお名前!
ヒザガスキー!(どーん)
もうまんま、お膝が大好き
お外でも飛び抜けてなつっこかった7号ヒザガスキー。
ってごめん馴染まんわww
ぶっちゃけほかの子はみんな号数で呼ばれてますが、なぜかブンちゃんだけはブンちゃんなのでブンちゃんで行きます!
なんでブンちゃんなんかって?
セブンのブンに決まってるやろ!
ほんで飛び抜けてなつっこかったブンちゃん。
かたわらにしゃがもうものなら膝に乗り、なんならフトコロに入り込み、10分でも20分でも動かないww
お外でどんなに懐いていても、捕獲となると話はべつ。
絶対絶対油断するな、が鉄則ですが、この子だけはこのまま持って帰れるな……と思う子でした。
もちろんおうちに入ってもこんな。
オトンのお膝でしあわせそう。
一応保護直後は念のためと洗濯ネット使ってたんですが……
この通りごろーん。洗濯ネットのなかにいてさえお膝によじ登ろうとしてくる。
完全に無駄な心配でしたww
突き抜けてお膝が好き。人間が大好き。
だからヒザガスキー。
ガリガリボロボロ
ブンちゃんは出会った当初から保護に至るまで、ガリガリのヨレヨレ。
こんな痛々しい皮膚炎まで。
こちらはエサやりさんが市販の(人間用ですが……)お薬をつけてくれていたようで、保護のときにはほとんど目立たなくなっていました。
よったよたやのに、人がそばによるとよろっとやってきて、ちょっとの間だけでもお膝に乗ろうとする。
これだけなつこい子はお外でもかわいがってもらいやすいですが、人を疑わず警戒しないので、虐待にもあいやすいです。
虐待する側は自分は傷つきたくないので、慣れていない危険な猫なんかをターゲットにはせえへんからね。
ゆえに慣れなれの子がおると、私たちみたいなのは心配でたまらず、保護するかリターンか迷ってまうねんなー(;´∀`)
食が細い……?とんでもない。
食欲は一応ある、ゆっくりモソモソ食べようとする。でも勢いはない。
捕獲のときだってのっそり捕獲器に入り、モソモソ食べてる間に音を立てて扉が閉まっても気にせずモソモソ食べ続け、すべての動作がスローリー。
しんどいんかな、病気かも、里親は探せずうちで看取りの日を待つことになるかも……なんて考えていた時期が私にもありましたww
あまりご飯を食べられなかった原因は『子宮水腫』という病気。
お腹が張って苦しく、ご飯を食べられなくなるそうですが、子宮を取ってしまえば、つまり避妊手術をしてしまえば、100%防げる病気です。だって子宮の病気やからね。
ここまで人馴れしているのは、まず間違いなく元は飼い猫。
適正飼育さえされていれば無駄にブンちゃんが苦しむ必要はなかったんですが……
さて病気の元を取り除いたブンちゃんは……
もりもり食べる。もりもり食べる。おかわりも要求する。まるで別猫。
お水もがぶがぶ。
口内炎が指摘されてたので通っていた病院の先生に、「通常一週間で100グラムずつ体重が増えれば上々なんですが、500増えてるね!」と笑われておりました。
もとはこういう子だったのか、それともおいしく食べられるようになって嬉しいのか、なんでもいいけど、日に日にふっくらしていく様子を見て私たちも嬉しく、食えよ太れよとお腹いっぱい食べてもらいました。
あきらか食べ過ぎなんで途中から調整入りましたけどー
ほかの子の3倍とかお腹はちきれますよ!
我が強く、アピールも強く、存在感も強く
動きがゆったりで、のんびりおだやかな猫さんかと思っていましたが、ところがどっこい。
病気で動きが緩慢やっただけで、元気になってみれば足元でうろついて邪魔いは、なごなごうるさいは、ごはんが待ちきれずフード箱に顔を突っ込もうとするは……
そしてどうやら猫が好きではないので、猫好きな6号が下手に近寄ると猫パンチ!
猫がわたしに近づくんじゃないわよー(志村うしろー!)
そうそうこちらはオトンに奇跡の一枚といわしめたきゃるるん!写真。
ブンちゃんは本当はこんなにかわいくない……って失礼やな!かわいいわ!ww
保護直後からお外と変わらずなつこくて、出して出して構って触ってーと手を伸ばしてきたブンちゃん。
手術なんて怖くて嫌な目にあったにもかかわらず、懲りずに人が好きで、私たちのことも全力で信じてくれていたブンちゃんが私たちも大好きでした。
獣医さんの見立てでは6~8歳、ちょい熟女ww
大人猫さんにはなかなか厳しい里親さん探し!
難航することははなから承知で、まあゆっくりしていきなさいよと、代理のオトンとオカンは長期戦の構えでおりました。
ブンちゃんはかわいい。だがくちゃい!
なんと子猫のように比較的赤い糸が結ばれやすいわけではない大人猫、しかもシニアに片足突っ込んでるような年齢のブンちゃんを、譲渡会に連れてっていただける!
というありがたいお話に、とてもとても喜んだのです、が!
ブンちゃんくちゃいんですよ……(;´∀`)
お外の子でも、虫はいても毛並みはきれいで、ノミ・ダニさえ退治してしまえばすぐさまおにゃかに顔をうずめる!なんてことも可能だったりするんですが、ブンちゃんはとーってもくちゃかった。
以前、投薬のためにリターン前に一週間ほどおうちでお世話していた口内炎の子がいたんですが、その子もくちゃかった。
そしてブンちゃんもふたつのおっきな口内炎の治療中。
ので、口内炎のせいで毛づくろいがちゃんとできてないからかなと思っています。
とにもかくにもこれじゃ譲渡会でもし見初められても、抱っこしてもらうこともままにゃらない……
ということで……
お風呂にゃ!!
さすがに暴れるかなあと警戒していましたが、そんなこともなく。
にゃーにゃー一生懸命鳴きますが、におい立つ頑固な異臭に二度洗いでも足りず三度洗い、おとなしくゴシゴシジャブジャブさせてくれました。
ドライヤーにも大して動じることなく、おヒゲをそよがせながらオトンのお膝で自分でも毛づくろい。とてもいい子!
三度洗いしてさえまだちょっとにおいましたが、でも最低限これで里親候補さんに門前払いされることはないはず!
きれいにしておめかしして、かわいいって言われる準備は万端だったのです。
突然のお別れ
それは本当に突然でした。
お風呂から上がって、電気毛布であったかくしたお気に入りの場所で、存分に毛づくろいしなさいよとまったり眺めていたとき。
猫だいすき6号が、ぴょんと飛び込みました。
猫好きくないブンちゃんが、見事な猫パンチをかましました。
慌てて逃げる6号を目で追っていたブンちゃんが、足をピンと伸ばして、つったのかなと思っていたら、もぞもぞ動いてから何度か吐くような動作をし、そして落ちるように崩れました。
なにが起こったかわからず動けないオカンを尻目に、素早く動いたオトンがブンちゃんを引っ張り出しましたが、ぐったりして、時どきひきつけたような変な呼吸をします。
最初は毛玉かなにかを喉に詰めたんだと思って吐かせようとして、でも喉を覗き込んでもなにもなく、なにがどうなっているのかもわからないまま、ブンちゃんは最後にがんばったように大きく息を吸って、オトンの腕のなかで動かなくなりました。
間の悪いことに、その日は日曜日。
だいたいの動物病院はお休みで、震える指で思いつく限りに電話をしましたが、どこにもつながりません。
昔テレビだか本だかで見たあっさい知識を頼りに心臓マッサージと人工呼吸を施してみましたが、ブンちゃんが戻ってきてくれることはありませんでした。
死因はわからず、心臓発作だったのではと言われました。
お風呂に入って慣れないことをしたから、心臓がびっくりしてしまったのかもしれません。お外の子は、見た目以上に、思う以上に弱っていることがあるそうです。
みんなが自分を責めてはいけないと言ってくれて、私自身も頭ではわかっていますが、それでもこの先ずーっと、未来永劫重たく背負っていくんやろうなあと思います。
初めから、もしかすると病気かもしれない。看取りになるかもしれない。
そう思って、その覚悟で保護することにしたブンちゃん。
でも手術をしたらあっさり元気になって、細かった食がうそのようにモリモリ食べて、おかわりまで催促して、ふっくらしてかわいくなって。
これなら大丈夫、時間はかかってもきっと里親さんも見つかる、と希望を見てからの突然の天国への見送りはさすがにきつい。
めそめそぐすぐす。職場でもぐすぐす。
終いには「ヤバイ感じの風邪ですか?」とか聞かれるしまつ。違うわ!
うちの子になりました
うちで亡くなったので、うちの子にすることにしました。
うちの名付けルールにのっとって、正式な名前もつけました。
文七(ぶんしち)
あれ、おんなのこ……というツッコミはなしの方向で。
うちには孫陸(まごろく♀)もおるのでなww
本当は文だけでいきたかったのですが、画数が悪かったねん!
そんな文七ブンちゃん、荼毘に付して、お骨もおうちに帰ってきました。
そうそう、ブンちゃんは尻尾が別れてるなあと思っていましたが、やっぱり骨もちゃんと別れていました。
妖怪猫又やったんやね。かわいい。
人間だいすきブンちゃん、喜んでくれるかと思って、亡くなってからしばらくの間は座っているときはだいたいお膝に抱いて、気持ちが落ち着いてきた今でも夜は枕元にいてもらっています。
6号が卒業して最後の一匹になったらうちの子たちと合流させようと思っていて、
うち一番のくいしんぼとごはんの取り合いするやろうかとか、
うち一番の甘えたとお膝争奪戦を繰り広げるかもとか、
きっとお布団に入ってきてくれるから、お鼻スピスピ言われながら一緒に寝るねーん。とか思っていて、あとちょっとやったのに。
はじめてのごあいさつがお骨でになっちゃった……
灰になってしまう前、最後にちゅーしたブンちゃんは、囲まれたお花の匂いに混ざってもやっぱりまだちょっとくちゃかった。
お外に出されることなくおうちで愛されていれば、きっとくちゃくなることもなかったのにね。
お花に囲まれて眠るようなブンちゃんの姿は、写真に収めたけれどもオトンとオカンだけのものにしておきます。
人が好きすぎて少しでも気配があると起き出して、寝ている姿なんてちっとも見せてもらわれへんかったからな!
捨てられてもしんどい思いしても人が好きやったブンちゃんは、今頃虹のたもとで誰を待ってるんか、それとも先に行った誰かと再会して、とっくに渡っていったんか。
どちらにせよ、毛皮を着替えるのはゆっくりゆっくり、世の中がもっと猫に優しくなってからで十分。
お膝でいつも幸せそうだったそのお顔に、
また会いたいなあとは思ってしまうけれどもね。